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今日も歪んだ神経症の「思い込み」をいかす方法について、述べます。
神経症の人は歪んだ思い込みに支配され、不安で身動きできない状態です。ただし不安になっているときは、歪んだ思い込みによる心配そのものはある程度ストップもしています。
認知行動療法では心配や不安に実際に、向き合うのです。
心配や不安の言いしれぬムードが増大しても、向き合うのです。これがポイントです。
向き合うと、一つの大きな事実に気付きます。
それは「心配していたほどのことはない」という、気付きです。
神経症の人の「思い込み」は、大きく歪んだものです。
現実にそれに向き合うと、「心配していたほどのことはない」ということの気付きます。
神経症の本当の解決は直接、不安や恐怖に向かい合うことです。
そうやって不安や恐怖を実感して、本来その不安や恐怖はそれほど心配することではないということに気付くことです。
次にモデルにより、「罪悪感の克服」の方法を述べます。
ある若い女性です。この人は、いつも笑顔でいなければいけない。
顔に怒りを、表してはいけないと思っていました。
それは自分は、「品行方正でなければならない」という考えによるものでした。
そしてそれゆえに、苦しんでもいました。
この人は、硬直した自己イメージにしばりつけられていたのです。
その結果、自由な気持ちが失われていたのです。
逆方向から述べれば、もし自分が「品行方正でなければ」、それだけですべてはマイナスに動き出してしまうと考えていたのです。
このように硬直した自己イメージにしばりつけられた人は、次のように自分に問うことも必要です。
「なぜ怒りを、顔に表してはいけない?」
誰でも怒りを、顔に表すことはあります。
それは誰でも、風邪をひくことがあるのと同じです。
「絶対に、風邪をひいてはいけない」と考える人は、愚かです。
おなじように「絶対に、怒りを顔に表してはいけない」と考える人も、愚かです。
さらにこの人は、怒りを感じるだけでもいけないのです。
怒りという感情すら、品行方正に反するいけないことなのです。
ここにも、大きな誤りがあります。
感情そのものにいい、悪いはそもそもないのです。
たとえば「泥棒をしたい」と考えることと、実際に泥棒をすることは違います。
それと同じように、考えるだけであればいい、悪いはそもそもないのです。
ところがこころの柔軟性が失われると、「泥棒をしたい」と考えるだけで悪いことになってしまいます。
自然な感情すら、否定的に受け取られるのです。
この自然な感情を、押さえ込もうとします。
その結果、さらに否定性の迷路をさ迷うのです。
この人は現実生活でも、困っていたことがあります。
それは横断歩道が赤信号の時に、近くに小さな子供がいると起きました。
その近くにいる小さな子供を、道路に突きとばしてしまうかもしれないと心配したのです。
そのために横断歩道のそばは、避けがちでした。
これは先ほどの自分は「品行方正でなければならない」という考えと、同じような理由によります。
この人は自分は「品行方正でなければ」、人から受け入れられないと強く信じていました。
さらにこの人の心配には、一つのこころの歪みがはたらいていたのです。それは「考えていることは直接、行動とつながっている」という歪んだメカニズムです。
「考えていることは直接、行動とつながっている」という思い込みから、「横断歩道が赤信号の時に近くに小さな子供がいると、道路に突きとばしてしまうかもしれないという心配」を説明してみます。
この人は「子供を道路に突きとばしてしまうかもしれない」と考えたときに、その考えと行動は異なるものだと認識できないのです。
考え=行動 です。
けっして 考え≠行動 ではないのです。
ただし本当は、この逆です。
考え=行動 は、この人の思い込みです。
よって事実は、考え≠行動 であることの理解が必要です。
そのための方法を、この人に用いました。
この人は、前述のように「横断歩道が赤信号の時に近くに小さな子供がいると、道路に突きとばしてしまうかもしれないと心配」していました。この考えと行動は異なるものだと、認識できればいいのです。
そこでこの人に、こころの中で「子供を道路に突きとばしてしまうかもしれない」と繰り返してもらいました。おおよそ10分~20分、こころの中でそう繰り返してもらいました。
さらに、述べます。