身体に対する必要以上の心配 17

counselor

2010年12月20日 13:26

お知らせ 東日本大震災の被災者及びご家族、お知り合いに被災者のいらっしゃる方のためにボランティアによる無料の電話によるこころのカウンセリングを行っております。24時間受け付けております。ご利用ください。℡03-5888-7354です。

今日も、強迫性障害に類似する障害として「身体に対する必要以上の心配」を述べます。

身体に対する必要以上の心配は、3種類あります。
それは「醜形障害」、「排便、排尿の障害」、「健康に対する必要以上の心配」です。

先ず「醜形障害」から、述べます。
「醜形障害」とは、読んで字のごとしです。

「醜い形を『恐れる』障害」です。
誰でも自分の目をよく見れば目がつりあがっているか、逆にたれているかもしれないとは思います。

作家の遠藤周作は「ヨーロッパ人は、日本人は目がつりあがっている」という印象を持っているから、「たれ目の欽ちゃんには、ヨーロッパでコントをしてもらいたい」と書いていました。

この「醜形障害」は、その性格じょう女性に多いのです。
女性の方が、容姿を気にしているからです。

本質的には自分の中の必要以上の容姿に対するこだわりが、何かの切っ掛けで「醜形障害」としてスタートします。この「醜形障害」は、強迫性障害に類似しています。

「醜形障害」と、強迫性障害の中の「強迫行為をともなわないもの」に類似しています。
「醜形障害」の人は、鏡を見がちですが、強迫行為ではありません。

どちらも強迫的な観念を、持っています。
しかし「醜形障害」の人は、けっして破壊的であったり暴力的な強迫的な観念は持ちません。

ただただ、容姿を気にします。そして不安になります。
容姿に対する不完全さに、とらわれているのです。

その容姿を気にしすぎることは、確信的です。
人からそのミスを指摘されても、納得できません。

ある学校の成績の良い女子大生は、知り合いの男子大学生から「ブス」と言われました。
学校の成績の良い女子大生は多くの場合、男子大学生からは「ブス」と言われがちです。
これは成績の良い女子に対する、たんなる男のひがみです。

それを真に受けて、苦しみだしたのです。
鏡を見たいような、見たくないよう状況が続きました。

勇気を出して鏡を見てから、さらにこだわりが強まりました。
それはにきびを、発見したからです。

この人の心配は、「醜形障害」に進みました。
人によっては、「健康に対する必要以上の心配」に進みます。

その「健康に対する必要以上の心配」は、このにきびは本当は癌かもしれないという方向に進みがちです。本人は癌は治らないとイメージしているがゆえに、その方向に進みがちです。

にきびという同じことであっても、二方向に分かれるのです。
それはその人が、どのような不安に左右されるかによって決定されます。

次回に、さらに述べます。

関連記事