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今日も、強迫性障害に類似する障害として「身体に対する必要以上の心配」を述べます。
身体に対する必要以上の心配は、3種類あります。
それは「醜形障害」、「排便、排尿の障害」、「健康に対する必要以上の心配」です。
先ず「醜形障害」から、述べます。
「醜形障害」とは、読んで字のごとしです。
「醜い形を『恐れる』障害」です。
誰でも自分の目をよく見れば目がつりあがっているか、逆にたれているかもしれないとは思います。
作家の遠藤周作は「ヨーロッパ人は、日本人は目がつりあがっている」という印象を持っているから、「たれ目の欽ちゃんには、ヨーロッパでコントをしてもらいたい」と書いていました。
この「醜形障害」は、その性格じょう女性に多いのです。
女性の方が、容姿を気にしているからです。
本質的には自分の中の必要以上の容姿に対するこだわりが、何かの切っ掛けで「醜形障害」としてスタートします。この「醜形障害」は、強迫性障害に類似しています。
「醜形障害」と、強迫性障害の中の「強迫行為をともなわないもの」に類似しています。
「醜形障害」の人は、鏡を見がちですが、強迫行為ではありません。
どちらも強迫的な観念を、持っています。
しかし「醜形障害」の人は、けっして破壊的であったり暴力的な強迫的な観念は持ちません。
ただただ、容姿を気にします。そして不安になります。
容姿に対する不完全さに、とらわれているのです。
「醜形障害」に対して、認知行動療法は有力な方法です。
認知行動療法により「醜形障害」は、3種類の方法で改善を進めます。
先ず不合理な現実認知、現実の考え方を解いていくのです。
「醜形障害」の人は不合理な現実認知、現実の考え方に呪縛されています。
自分がたれ目だと苦しんでいる人も、その考え方に呪縛されています。
呪縛されて、身動きのできないことこそが問題点です。
たれ目の欽ちゃんのように、それをいかせばいいかもしれません。
またはたれ目であることが、すべてダメなわけではありません。
「醜形障害」の人は容姿に対する不合理な認知により、苦しんでいます。
神経症の人は自分の苦しみによって、こころが植民地化しているのです。
それは自分の思い込みを、客観化できないからです。
思い込みが、客観的な事実になっているのです。
その客観的な事実が、一人歩きします。
すなわち、以下のようになります。
思い込み→客観的な事実のようになる→客観的な事実として一人歩きする
たれ目は嫌がられるという「思い込み」は、自分は客観的に嫌がられているという事実のようになります。
その事実が、やがて一人歩きして人前に出られなくなるのです。
次回に、さらに述べます。