さぽろぐ

健康・ダイエット  |その他の都道府県・海外

ログインヘルプ


2011年05月07日

神経症の人の「思い込み」 67

お知らせ 東日本大震災の被災者及びご家族、お知り合いに被災者のいらっしゃる方のためにボランティアによる無料の電話によるこころのカウンセリングを行っております。24時間受け付けております。ご利用ください。℡03-5888-7354です。

今日も、神経症の人の「思い込み」を述べます。

神経症の人は、その人なりの「思い込み」に苦しんでいます。
ある人にとってはとても不安になることが、ある人にとってはまったく問題にされません。
逆にある人にとってはまったく問題にされないことが、ある人にとってはとても不安になります。
これはその人なりの「思い込み」が、異なるからです。

それはそれぞれの不安を否定的に支える、「思い込み」があるからです。
それぞれの不安に、それぞれの「思い込み」は対応しています。

特に神経症の人の「思い込み」で多いのは、「見捨てられる不安」です。
自分が誰か、周囲の人から見捨てられることを恐れるのです。
そして「見捨てられる不安」に支配された人は、見捨てられないために生きることになります。

次に神経症の人の「思い込み」で多いのは、「自分は一人では何もできないかもしれないという不安」です。自分は周囲の人からのサポートがなければ、何もできないと恐れるのです。
そしてこの不安に支配された人は、自己無力感をさ迷います。

このタイプの人は、自分自身に対する否定的な評価をしがちです。
マイナスの自己評価をしがちです。

他者との関係においても、とても用心深いことも特徴です。
常に他者に用心深い、態度をとります。

常に、バリアを張りめぐらしています。
そのバリアの中に入れた人とは、逆にとても仲良くなれます。

「自分は一人では何もできないかもしれないという不安」に取りつかれいる人は、その思い込みに強く動かされます。

逆に言えばその思い込みそのものを修正すれば、大きな変化が起きるのです。
神経症の本質的な解決は、歪んだ思い込みの修正にあります。

常に「パーフェクトにものごとを行わなければいけない」という思い込みに支配された人は、この「パーフェクトにものごとを行わなければいけない」という思い込みを修正すればいいのです。そしてそれが、本当の解決です。

本当の解決は「パーフェクトにものごとを行わなければいけない」という思い込みの、修正そのもにあります。それにより、思い込みに支配されなくなります。

神経症の人は歪んだ思い込みに支配され、身動きできない状態です。
歪んだ思い込みはその人の生活も、奪いさってしまうのです。

思い込みは、色の付いたメガネのようなものです。
現実を、その色に染めてしまうのです。

たとえばテスト不安の人は、テストで失敗するというメガネをかけています。
その色に現実を染めて、見てしまうのです。

現実はより失敗に見え、それがさらに強まります。
その結果、現実そのものもそちらにハンドルを切っていくのです。

このように歪んだ思い込みは、歪んだ行動も生みます。
その歪んだ行動は、歪んだ思い込をも証明してしまうのです。

それは、次のように表せます。

歪んだ思い込み→歪んだ行動→歪んだ思い込の証明

そしてそれは、さらに次のように続きます。

歪んだ思い込の証明→歪んだ思い込みの強化→歪んだ行動の強化→歪んだ思い込の証明
の強化

このようなメカニズムにより、歪んだ思い込みは強化されます。
その結果、悪循環から抜け出せなくなるのです。

このような歪んだ思い込みに苦しむ姿を、モデルにより述べます。
先ず若い主婦です。この人はご主人との関係で、思い込みにより苦しんでいました。

最近、ご主人の帰宅が連絡もなく遅いのです。多くの場合、彼には彼の事情があると考えますがこの人はそう考えません。そう考えられないのです。

連絡できない事情を、「私を嫌になったのかもしれない」と考えます。
そしてそれは、「~~~に違いない」と悪い方に変わっていきます。

即ち「私を嫌になったのかもしれない」という考えから、「私を嫌になったに違いない」と悪い方に変わっていきます。常に、悪い方に進んでしまうのです。

最後には、「離婚になる」と考えるのです。
その理由は、「私に~~~といういたらぬ点がある」からだと考えます。

たとえば、「私に愛想がないといういたらぬ点がある」からだと考えます。
さらに、「私に暗い性格といういたらぬ点がある」からだと考えます。

このように、すべて自分のせいにして苦しむのです。
その裏側には、極端な理想像がかくれています。

この人の裏側にある極端な理想像は、次のものです。
「私はとても愛想が良くなければならない」であり
さらに、「私はとても明るい性格で、周囲の人をも明るくさせなければいけない」です。

この人は「私はとても愛想が良く『なければならない』」や、「私はとても明るい性格で、周囲の人をも明るく『させなければいけない』」という、理想像にともなう思い込みに苦しんでいたのです。

精神分析療法では、この人の発達的な問題を解決する方向に進みます。
実際にこの人も、発達的な問題を持っていました。

それは両親の、離婚によるものでした。
この人は両親の離婚後に、他者の言動にとても敏感になりました。

他者は結局最後は、自分から離れていってしまうんだと思うようになりました。
それにより、さらに安心感も奪われたのです。

発達的な問題は、両親の離婚によるものでした。
このことをさらに追求し、改善に進むのが精神分析療法です。

ただしこのような方法は、カウンセリングに多くの時間を必要とします。
それに対して、現在の問題としとらえる方法もあります。このほうが、現実に沿った解決方法です。

それが認知療法であり、認知行動療法です。
この女性は「自分は愛想がなく、暗い性格」という、自己像に苦しんでいたのです。

この女性の自己像には、大きな歪みがあります。
それは「自分は愛想がなく、暗い性格」というように、決め付けていることです。

その決め付けから、主人は「私を嫌になったのかもしれない」と考えていくのです。
決め付けから後の考えは、決め付けに沿ったものになります。

その結果、歪んだ決め付けを裏付けてしまうのです。
気付いたときには、歪んだ決め付けは本当のことになってしまいます。

その決め付けの根底には、大きな認知のゆがみがひそんでいます。
それは「信号は青か赤か」という、考え方です。

現実は、「信号は青か黄か赤」なのです。
信号には、黄色もあります。

次回に、さらに述べます。


あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(カウンセリング)の記事
 パニック障害から解放される方法 994 (2021-11-02 14:55)
 パニック障害から解放される方法 993 (2021-10-25 14:55)
 パニック障害から解放される方法 992 (2021-10-20 12:08)
 パニック障害から解放される方法 991 (2021-10-19 12:09)
 パニック障害から解放される方法 990 (2021-10-11 14:15)
 パニック障害から解放される方法 989 (2021-10-08 13:58)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
神経症の人の「思い込み」 67
    コメント(0)